case1

低髄液圧症候群

症例報告 No.1 低髄液症候群

これは5年前にスキーで転倒して以来、頭痛、頚部痛、頭重感、頚部重感、倦怠感などの症状があり、幾つもの病院で診てもらうも異常なしと診断された後、当院にて検査(MRIミエログラフィー)をおこなった際の画像です。
赤丸で囲んである所を見れば脊髄液が画像右側に漏洩しているのが分かると思います。
症状や検査結果を元に脊髄液漏症候群(低髄液症候群)と診断しました。
通常このような症例では、ブラッドパッチ(患者本人の静脈血を直接患部硬膜外に注入し、血栓により穴を塞ぐ方法)で治療を行うことが多いのですが、頚椎での髄液漏洩だったため、頚椎への穿刺は脊椎損傷をもたらす可能性があること、腰椎からの穿刺では血液が腰から首まで上がらない。との理由から当院では外科的処置を施しました。

手術概要

季節の食材や行事食のメニューの充実を図り、入院中のお食事が楽しみになるよう努めています。

硬膜に穴が開いて髄液が漏出
しているのが確認できました。

フィブリンのりなどで穴を塞ぎます。

低髄液圧症候群とは?

脳と脊髄は、硬膜という膜に被われています。その膜の内側にはクモ膜が存在し、クモ膜の内側には髄液と呼ばれる液が満たされています。脳脊髄は、その髄液の中に浮かんでいます。脳脊(せき)髄液減少症 (低髄液症候群) は、その硬膜の一部が損傷し、液が漏れることにより脳が下垂したり、神経が引っ張られたりして、頭痛などの様々な症状が生じます。病気の原因の大半は、交通事故によるむち打ち、スポーツなどでの軽微な外傷によって生じるようですが、出産や軽い転倒でもおこるとされています。この症例は全国で約十万人以上と見られていますが、症状も多岐にわたるため、受診する科も内科、整形外科、脳神経外科、耳鼻科、心療内科、神経内科、循環器科などと多く、通常の検査をしても異常が見つからないため『肩こりかなんかでしょう。』などと見逃されるケースが殆どです。また、名前すら知らない医師も多いのが現状です。ですが、最近メディア等にも取り上げられ、少しずつではありますが認知されるようになってきています。

診断のために行われる検査

1.ルンバール(腰から髄液圧を計る
2.MRI造影(硬膜の増強を見る)
3.MRIミエロ(実際に漏れている画像を確認する)
の3つが代表的です、しかしこの病気の症状は病名の通り低髄液圧で無いと出ません。(髄液圧が低いために髄液が脳のクッション役を果たせず脳が揺れるために症状が出る)逆に言うとミエロ等で微細な髄液漏出が確認されても髄液圧が下がるほどの漏れで無い限り症状は出ませんし、治療の対象とはなりません。当院では①の検査で60mmH2O以下が治療の対象としています。

お問い合わせ

当院へのご相談やご質問はこちらまで

電話予約はこちらから

診療時間:(午前)9:00~12:00(午後)17:00~19:00

時間 日/祝
9:00~12:00 ✖️
17:00~19:00 ✖️ ✖️